【深草アキ Message】
中国の古典楽器「秦琴(しんきん)」は、その故郷でもある中国に於いても専門の演奏家が少ない珍しい楽器です。私はベース(electric bass)を弾いて音楽活動をしていた三十数年程前、ある古民具市でこの楽器と天啓のようにして出会い、その後の音楽人生にまさに伴侶となった楽器です。私は、この中国の古典楽器である「秦琴」を一つの普遍の楽器として捉え、日本人である私自身の感性を基にして音楽を創造していくことを目指しました。当時、半分朽ちかけていたこの楽器を修理し、糸の種類や太さを選び、弾き方や調弦を工夫し、曲を作り、そして様々なエフェクター等を駆使し、中国音楽とは全く異なる、また、日本の邦楽とも異なる独自の音色を持つ音楽をすべて私自身で創りあげてきました。
二十数年程前、最初のレコード(当時はまだレコードが主流だったので)をリリースし、1986年に今は亡き筑紫哲也氏が当時担当されていたTBSラジオのニュース番組のテーマ音楽を担当したのをきっかけに、1987年放送のNHK大河ドラマ『武田信玄』の挿入曲演奏、NHKドラマ『蔵』『春燈』『櫂』の作曲・演奏、坂東玉三郎・公演『海神別荘』、尾上松緑・主演『夏の夜の夢』等の音楽を担当してきました。現在、一枚のDVDを含め、十三枚の作品をリリースしています。
2011年最後のコンサートを、11月18日(金)に「府中の森芸術劇場」ふるさとホールで開催いたしました。11月2日に『白鷺:玉三郎 in 姫路』(1989年発売)が再発売されました。そのCD『白鷺』再発売の記念コンサートでもありますが、メンバーは私の「秦琴」の他に、「笙」の豊剛秋(ぶんのたけあき)氏、「編鐘」の孟暁亮(モンシャオリャン)氏、「パーカッション」の甲斐いつろう氏の四人です。
舞台の中央に、巾7メートルはあろうかという「編鐘」(釣り鐘を並べた様な楽器)が据えられ、「笙」と「パーカッション」が鳴り響く、照明もきれいな、美しいコンサートになったと思います。
私の詳細はホームページをご覧ください。
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「府中の森芸術劇場」コンサート告知Video